mizukamezasan’s blog❀

日記 思いつき 詞など

宇宙人に笑われちゃうよ

「人間の敵は、人間であった。」



どこかのドラマや、映画でも、本の帯に書かれているキャッチコピーでもない。

これはどこにでもいるような、ある家族の、ささやかな日常での、本当にあった会話の一部である。


それは、今朝のこと。
自分と次男の二人で。
いつもと同じような時刻に起き、同じような朝食を食べているところだった。
ちなみに、今朝の朝食はトーストにいちごジャムをぬったもの。それとヨーグルトに、お弁当用に買われていた冷凍食品の肉団子である。

朝のTV番組では、ちょうどウクライナ情勢のニュースが流れていた。
とかく始めて見るわけでもなく、この話題も家族内では何度も話していたことだったので、いつもと同様、TVを流しながらの朝食を取っていた。


次男(5歳)

「人間の敵は、人間であった。」



彼は朝食の肉団子(串付き)を食しながら、自分の方を向き、そう言った。





自分(心の声)


「なっ、なにごと?!?!」




どこぞのユーチューバーが言ってたのか??
ってか、今の言葉って、ニュースでやっているウクライナとロシアの事をいってるんだよ、ね??


急な事に、どうか答えようか迷ってしまった。


とりあえず出た一言は。


自分

「どうしてだろうね…。」


何の答えにもならないものだった。



しかし、その言葉を聞いた次男はすぐに。


次男

「どうして仲良しにできないんだろうね。
 同じ人間なのに。」

自分が言えなかった言葉の続きを、彼は想像して
、彼の言葉で返してくれたのだった。


何かを悟ったのだろうか。

ここは、何かの哲学の勉強会?

いやいや、我が家のいつもの食卓の場だ。

驚きを隠せずにいた。
そして何よりもどう答えるべきなのか。

自分は哲学的なことが詳しいわけでもないし、教育に熱心な母親でもない。
こういった場合の返答が、すぐには思い浮かばなかった。


自分

「本当に、同じ人間なのにね。
仲良くすればいいのにね。
こんな事してたら、他の星の宇宙人さんたちに、笑われちゃうよね。」



次男

「あはは、そうだね。笑われちゃうよ〜。」


彼はそう言い、また食事を再開した。

その笑顔に少しホッとする気持ちと、子供なりの
世界の情勢を理解しようとする姿勢に、ドキッとしていた。


あの冒頭部分の言葉を、全て理解して言っているとは思っていない。
もしかしたら、次男の知っている言葉を言ってみて、たまたまこ
シチュエーションがドンピシャだったのかもしれない。

それでも、会話が成り立ったのだから
少なからず理解している部分もきちんとあるのだ。


それを踏まえた上で思うこと。

それは、この言葉の意味を現実にしてはいけない。


っと、言うこと。

どこか、非現実的な。
フィクションであるような。
まるで、何かのキャッチコピーかのような。



    人間の敵は、人間であった



これを、現実にしてはいけない。



現実にならないと思う??


5歳児でさえ、その考えが浮かんだのに??


ニュースでは連日報道され、見慣れすぎてるのかな。



改めて、現実を突き詰められた気分がした。

だからって、何ができるわけじゃないけれど。


同じ人間。
せっかく同じ時代に生まれて、何かのきっかけで出会えたとして。
せっかくだし、仲良くできたらって思う気持ち。


それって、大事だ。


そんな簡単な世界ではないことも分かってるけど。


けど、その気持ち。

忘れたくないと思った次第。

備忘録がてら。